牛たんのこと

2024.09.17

牛たんが仙台で有名なのはなぜ!?発祥から有名になるまでの歴史

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牛たん徳茂 店長佐藤(SATO)

牛たん徳茂は東北エリアでNo.1の出店数を誇る「やまなか家」の姉妹店で、肉の美味しさを30年以上追求してきた「肉のプロフェッショナル」です。

仙台では実家でもよく牛たんを食べますが、他の県の子どもより牛たんデビューが早かったかもしれません。
小学校の時にとある焼肉屋さんで食べた厚みのある牛たんに衝撃を受けたことを、今でも鮮明に覚えています。
それ以来、私にとってのご馳走といえば牛たん定食になりました。

私が店長を務める「牛たん 徳茂」は、東北エリアNo.1の出店数を誇る「やまなか家」の姉妹店です。

ぜひ私達の肉厚で柔らかい、自慢の仙台牛たんをご家庭で味わってみてくださいね!

皿に盛られた牛たん

こんにちは!「牛たん専門店 徳茂」の店長をしてます佐藤です!

 

仙台といえば牛たんが名物!

しかし、もともと牛肉が特産というわけではなかった仙台で、なぜ牛たんが有名になったのでしょうか?

 

そこで今回のコラムでは、仙台の牛たんの歴史を解説。

仙台での牛たんの発祥から、全国的な人気にいたるまでの歴史をひも解いていきます。

コラムを読んだら、仙台の牛たんが食べたくなること間違いなしですよ!

仙台ではなぜ牛たんが有名?仙台牛たんが生まれるまで

仙台の牛たんの歴史は、日本が戦後の復興に向けて歩み始めた昭和23年(1948年)に始まりました。

 

仙台の牛たん焼きを考案したのは、仙台で焼き鳥屋を経営していた和食料理人の佐野啓四郎氏。

「ほかの人が真似できないようなオリジナルメニューを作りたい」と、佐野氏が目を付けたのが、当時は洋食材料だった牛たんでした。

戦後の1950年代、アメリカの駐在軍が多かった仙台には大量の牛肉が運び込まれており、佐野氏はこの機会を生かして、牛たんを和食として調理することを思いついたのです。

 

佐野氏が洋食レストランで初めて食べた牛たん料理は、じっくり煮込んだタンシチュー。

しかし、佐野氏が営む焼き物中心のお店では煮込み料理は不向きなため、「牛たんをおいしく焼いて食べるにはどうしたら良いだろう…」と、研究と試行錯誤が繰り返されました。

 

そして、牛たんの素材確保にも苦労するなか、長い時間をかけて完成したのが、切り身に包丁を入れて塩を振り、熟成させてから炭火で焼くという今の牛たん焼きの形です!

こうして、今なお仙台の牛たん定食の定番となっている、牛たん焼き、テールスープ、麦飯という組み合わせの「牛たん定食」が誕生しました。

 

ちなみに白米ではなく麦飯を合わせたのは、食料が十分ではなかった戦後の貧しい時代に、白米よりも安い麦飯を使って「お腹いっぱい食べられるように」という心遣いだったそうです(諸説あり)。

 

仙台牛たんが有名になるまで

仙台牛たんが全国的に有名になっていったのは、佐野氏が牛たん焼きを開発してから30年近くたった昭和50年代(1975年以降)。

日本の高度経済成長期と呼ばれる時代です。

 

転勤や単身赴任、出張で仙台を訪れた大勢のサラリーマンが仙台の牛たんを食べ、そのおいしさをそれぞれの地元で広めていきました。

 

仙台牛たんの最大の特徴は、一般的な焼肉店の10倍以上という厚みです。

1~1.5cmもの厚みがありながら、驚くほどやわらかくジューシー!

多くの人を魅了するこの独特の食感と旨味たっぷりの味わい、そして、それでいてヘルシーという牛たんの魅力がマスコミにも頻繁に取り上げられるように。

こうして、牛たんが「仙台名物」として全国に知られるようになったのです。

 

さらにその頃、佐野氏の牛たん専門店で修行を積み独立した大川原要氏が、仙台駅前に自身の2店舗目となる牛たん店をオープン。

駅前のビルには「仙台名物牛たん」という大きな看板を出しました。

昭和57年(1982年)には東北新幹線が盛岡まで開通しており、たくさんの乗客の目に留まってさらに認知度を高めたそうです。

 

また、1991年に牛肉輸入自由化が始まり、原材料の調達が容易になったことも追い風となり、仙台には牛たん店が増えていきました。

 

現在では、仙台市内には100店もの牛たん店があるといわれ、仙台駅からほど近い場所には、牛たんの専門店がずらりと並ぶ「牛たん通り」も。

仙台牛たんは、名実ともに仙台名物として知られるようになったのです。

 

仙台名物は牛たん以外にも!

ずんだと笹かま

仙台には、牛たん以外にもおいしい名物がたくさんあります!

なかでも、「ずんだ」と「笹かま」は牛たんと並んで、仙台の三大名物と呼ばれています。

 

「ずんだ」は、茹でた枝豆の実をすりつぶして砂糖や塩で味付けしたもの。
美しい緑色と、甘くてやわらかな舌触りが特徴です。

あんこの代わりにずんだを絡めるずんだ餅は、仙台の伝統的なスイーツ。

最近では、ずんだシェイクやずんだプリンなどさまざまな商品展開がされています。

 

また、「笹かま」は、平たい形と弾力のある食感が特徴のかまぼこです。
旧仙台藩主伊達家の家紋「竹に雀」に描かれている「笹」が名前の由来といわれています(諸説あり)。

仙台市内には老舗や名店がたくさん建ち並び、チーズや大葉を練り込んだものやスモークされたものなどさまざまなバリエーションの笹がありますよ。

 

 

仙台牛たんのおいしさは日本の高度経済成長とともに全国に広まった!

仙台で牛たんが有名になった背景には、戦後日本の復興と高度経済成長があります。

戦後復興の中、仙台の料理人佐野啓四郎氏が当時は洋食の食材としてアメリカから日本に入ってきていた牛たんに注目。

研究を重ねて独自の調理法で牛たん焼きのスタイルを確立しました。

 

仙台牛たんの魅力は分厚い切り身と独特の食感、そして驚くほどやわらかくジューシーな味わい!

日本の高度経済成長期には多くのサラリーマンが転勤や出張で仙台を訪れて牛たん焼きを食べ、そのおいしさを地元に伝えました。

 

そして、メディアの影響もあり、仙台牛たんの人気は全国区へ。

今では、牛たんは名実ともに仙台名物となり、仙台市には100店もの牛たん店があるといわれています。

 

仙台牛たんは、戦後の創意工夫から生まれ、日本の発展とともに育まれた珠玉の一品なのです。

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